精巣がんの高位精巣摘除術にかかった費用はいくら?実際の入院費を公開【体験談】

お金・制度

精巣がんと診断されたとき、治療への不安と同じくらい気になったのがお金のことでした。

「治療費はいくらかかるの?」
「仕事を休んだら生活は大丈夫?」
「利用できる制度はある?」

私も毎日のように調べましたが、実際にかかった費用を詳しく公開している体験談は多くありませんでした。

この記事では、私が精巣がんの治療で実際にかかった費用や、利用して助かった制度について、体験談をもとに紹介します。これから治療を受ける方の参考になれば幸いです。

私が実際にかかった治療費

医療費として支払った金額

精巣がんの手術を受けることが決まったとき、私が一番不安だったのは治療費でした。

「手術だけで何十万円も払うことになるのでは…」

そんな不安を抱えながら入院しましたが、実際にかかった医療費は以下のとおりです。

医療費総額自己負担額
手術・入院40万6310円8万1493円
当月外来7380円2214円
薬代4310円1293円
合計41万8000円8万5000円

実質負担した医療費としては合計8万5千円でした。

私はマイナ保険証を利用していたため、高額療養費制度が適用され、窓口での支払いは自己負担限度額までとなりました。(マイナ保険証じゃない場合は限度額適用認定証を事前に申請しておく必要があります)

ただし、入院中にかかったお金はこれだけではありませんでした。

入院してみて意外だったのが、医療費以外にも細かい出費があることです。

私の場合、入院中は以下のような費用がかかりました。

入院セットのレンタル料

入院中に着る服やバスタオルなどをレンタルできる入院セットを利用していて、料金は1日500円でした。

入院中はタオルなどを毎日用意する必要があるため、こうしたレンタルサービスを利用する人もいると思います。

冷蔵庫・Wi-Fi・テレビなど

病室では、冷蔵庫やWi-Fi、テレビなどを利用するための料金もかかりました。

私の場合は、1日600円ちょっとでした。

入院期間が短ければそれほど大きな金額には感じませんが、入院が長くなると少しずつ負担になってきます。

入院中の食事代

入院中の食事にもお金がかかります。

私の場合は、1食あたり約500円でした。

1日3食と考えると、単純計算で1日約1,500円。

入院期間が長くなれば、それなりの金額になります。

「※入院中の食事代は、所得区分などによって自己負担額が異なります。また、制度改定によって金額が変更される場合があります。」

実際に入院すると医療費以外にもお金がかかる

実際に入院してみると、病院に支払うお金は医療費だけではありませんでした。

手術や検査などの医療費とは別に、

● 入院セットのレンタル代

● テレビ・Wi-Fi・冷蔵庫などの利用料

● 入院中の食事代

などの費用も発生します。

私の場合は前日入院3泊4日で手術・入院にかかった医療費は約8万5,000円。入院セットやテレビ・Wi-Fi・冷蔵庫、食事代なども含めると、実際に入院期間中に支払った金額は約9万3,000円でした。

もちろん、これらの金額やサービス内容は病院によって違います。

私の場合は、こうした「医療費以外のお金」も実際にかかったので、これから入院する人には、治療費だけではなく入院中の生活にかかる費用も少し余裕を持って考えておくことをおすすめします。

高額療養費制度とは?

ここまで読んで、

「手術・入院だけで40万円以上かかっているのに、どうして自己負担額は8万5,000円なの?」

と思った方もいるかもしれません。

その理由のひとつが、高額療養費制度です。

高額療養費制度とは、1ヶ月(1日から末日まで)に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、年齢や所得に応じて決められた自己負担限度額を超えた場合、その超えた分が支給される制度です。

健康保険が適用される医療費が高額になった場合でも、自己負担が際限なく増えてしまわないようにするための制度です。

私の場合、手術・入院にかかった医療費の総額は40万6,310円でした。

通常、健康保険が適用されても3割負担であれば、単純計算で約12万円を支払うことになります。

しかし、高額療養費制度によって自己負担限度額が適用され、実際に支払った手術・入院の自己負担額は8万1,493円でした。

さらに、当月の外来や薬代を含めた医療費の自己負担額は、合計で8万5,000円でした。

「がんの手術」と聞いたときには、もっと大きな金額を覚悟していたので、高額療養費制度があることは大きな安心材料になりました。

マイナ保険証を利用している場合

現在は、マイナ保険証を利用している場合、医療機関の窓口で限度額情報の提供に同意することで、原則として事前に「限度額適用認定証」を用意しなくても、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。

私もマイナ保険証を利用していたため、この方法で高額療養費制度の限度額が適用されました。

自己負担限度額について詳しく知りたい方は、厚生労働省の公式サイトで確認できます。

厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

マイナ保険証を利用していない場合は?

ただし、制度の対象になる費用や自己負担限度額は、年齢や所得などによって異なります。

「マイナ保険証を持っていないけど、高額療養費制度は利用できるの?」

と思う方もいるかもしれません。

もちろん利用できます。

マイナ保険証を利用しない場合は、加入している健康保険に**「限度額適用認定証」**を申請し、医療機関の窓口に提示することで、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑える方法があります。

また、事前に限度額適用認定証を用意していなかった場合でも、いったん医療費を支払い、後から高額療養費を申請して払い戻しを受ける方法があります。

そのため、

マイナ保険証を利用している
→ 限度額情報の提供に同意することで、原則として限度額適用認定証の事前申請は不要

マイナ保険証を利用していない
→ 限度額適用認定証を事前に申請する方法がある

という違いを覚えておくと分かりやすいと思います。

高額療養費制度でも対象外になる費用がある

ここで注意したいのが、入院中に支払うお金のすべてが高額療養費制度の対象になるわけではないということです。

例えば、

● 入院中の食事代

● 差額ベッド代

● 入院セットのレンタル代

● テレビ・Wi-Fi・冷蔵庫などの利用料

などは、医療費とは別に自己負担が発生します。

私の場合も、医療費の自己負担額は約8万5,000円でしたが、これとは別に入院セットや食事代、テレビ・Wi-Fi・冷蔵庫などの費用がかかりました。

そのため、入院に必要なお金を考えるときは、「高額療養費制度があるから大丈夫」と医療費だけを見るのではなく、対象外となる費用も含めて準備しておくことが大切だと感じました。

退院してから仕事復帰するまで

退院後は自宅で療養し、手術から約2週間後に仕事へ復帰しました。

退院してから最初の1週間ほどは、手術で切った下腹部の傷が痛く、動くのも大変でした。

外に出ることも難しく、買い物に行くこともできなかったため、食事はUber Eatsなどを利用していました。

特に動くのがつらかった時期は、3食ともUber Eatsを利用する日もありました。

そのほかにも、仕事を休んでいる間の食費や日用品など、普段の生活ではあまり意識しないような出費も積み重なっていきました。

私の場合、手術から仕事復帰までの期間だけでなく、その後の治療期間も含めて考えると、家賃を除いて実際に財布から出ていったお金は、全部で約30万円くらいになりました。

実際に経験してみて感じたのは、

「がんになったら、医療費だけ準備しておけばいい」というわけではない

ということでした。

医療費そのものは高額療養費制度によって負担を抑えることができます。

しかし、仕事を休んでいる間の生活費や、外出できないことで発生する食費など、制度ではカバーされない出費もあります。

仕事を休んでいる間は傷病手当金を利用

手術から仕事復帰まで仕事を休むことになったため、その間は傷病手当金を利用しました。

傷病手当金とは、健康保険の加入者が病気やけがのために仕事を休み、その間の給与が十分に支給されない場合に、生活を保障するために支給される制度です。

がんの治療では、医療費そのものだけではなく、仕事を休むことによる収入への影響も考えておく必要があります。

私自身、実際に治療を経験してみて、「治療にいくらかかるか」だけではなく、「治療中の生活をどう維持するか」も考えておく必要があると感じました。

傷病手当金を利用できたことは、仕事を休んで治療に専念するうえで大きな助けになりました。

※傷病手当金には支給条件があります。加入している健康保険によって手続きや必要書類などが異なるため、利用を検討する場合は加入している健康保険に確認してください。

「全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」」

まとめ

精巣がんの治療では、手術や入院の医療費だけでなく、入院中の生活費や仕事を休むことによる収入面の不安もありました。

私の場合、高額療養費制度を利用することで医療費の負担を抑えることができましたが、入院セットや食事代など、医療費以外にもお金がかかることを実際に経験しました。

また、傷病手当金を利用できたことで、収入面の不安を減らしながら治療に向き合うことができました。

精巣がんと診断された時は、お金の不安も大きいと思います。ですが、高額療養費制度や傷病手当金など、利用できる制度を事前に知っておくことで、治療中のお金に対する不安を減らすことができます。

この記事が、これから治療を受ける方の参考になれば幸いです。

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